さて、最後は不肖、山法師の番です。緊張しました!
⑦『冬の本』天野 祐吉 他 著(夏葉社)
(テーマはオススメ本)
和田誠イラストの表紙ときれいな装丁に惹かれて購入。「冬と本」をテーマに、作家や芸能人、文化人など84人の著名人が書いたミニエッセイが並んでいます。冬の夜のあたたかい布団の中で子供と読む絵本、凍えそうな東京の真ん中で食べた熱々のおでん…。年々季節感が薄れ、冬らしさを味わいにくい昨今。毎年、本格的な寒さが来たら、本棚から取り出し、冬を噛みしめながら読むのがおすすめ。
⑧『ブラフマンの埋葬』小川 洋子 著(講談社文庫)
(テーマは動物)
瀕死の状態の得体の知れない動物を助け、「僕」は、「ブラフマン」と名付け、かわいがるように。タイトルから悲しい結末が予想され、それと対比するように心を通わせる「僕」とブラフマンの生き生きとした日々。失われていくものをただ放り出すのではなく、「埋葬」するように丁寧に慈しむ心を教えてくれます。自分の周りの大切な「何か」を思い浮かべながら読みたくなる一冊です。